十年探したワンピース

五日前。

31歳になった。

現在2021年4月8日。

13時43分。

今のこの時間には、さほど意味はない。

伝えたいこと。

言いたいことは。

あれから、十年たったということだ。

あれってのは。

2011年。

俺が初めて就職して、苦労をして、病気になって、統合失調症と診断されて。

それから十年の月日が流れたということだ。

思えば、11年前。

10年後の未来を自分は日記に書き記していた。

未来への希望。

希望への期待。

そんな都合のいい、魅惑的な未来を思い描いて。

10年後、パパになって、作家になって、本が出版されて、本がアニメになって。

それで、それで、それで。

とめどなく、自分の希望に満ち溢れた妄想や、願望を、10年後になったつもりで、10年前の今の自分にこうなっているんだよ、と。

おもしろ、おかしく、未来を綴った。

そんな未来が今。

この2021年4月8日の今。

10年後を迎えた今。

その今を迎えている。

でも。

人生なんてものは、そんな青写真通りにうまくいくはずがなくて。

努力が足りなかった。

自分の甘さがあった。

ゴールへの答えを知らなかった。

そもそもスタートラインへ立っていたのか。

さまざまな、いい訳をあげれば、もうきりがない。

人間の行動は、その瞬間の今の中で、行動の結果が生まれ続けている。

自分は夢への終着点だけを思い描いて、その道中の努力や、苦労、どんなドラマや、苦難があるのかなんて、イメージ出来ていた訳じゃないし、想像出来ることでもない。

むしろ、想像出来た時点で、それはもしかしたら、つまらない人生なのかもしれない。

イメージ出来なかった、この10年間の道筋。

それは。

就職した。

苦労した。

病気になった。

療養した。

会話ができなくなった。

頭が全く働かなくなった。

ずっと寝たきりだった。

たまに家のなかを歩いた。

外も歩いた。

ネット配信を見た。

喧嘩している人をみた。

どこか羨ましいと感じた。

自分もネット配信を始めた。

少し楽しめた。

ネットの友達が出来た。

友達と仲良くなった。

友達に恋をした。

でも、友達が、自殺した。

でも、涙を流せなかった。

感情が動かなかった。

そんな自分に苛立つことさえ難しかった。

それでも、配信を続けた。

そしたら、今度は、すごく綺麗な人が現われた。

綺麗な人を好きになってしまった。

まとも涙を流せなかった自分は変わっていった。

もう大丈夫だろうと薬を飲むのをやめた。

通院するのもやめた。

自分がどんどん変わっていった。

変わっていって、心の起伏を感じるようになった。

それが、なんだか懐かしくて、それがなんだか新鮮で、自分はそれをたくさん求めた。

自分の中で止まっていた心の時計の針が、ようやく動き始めた気がした。

ようやく自分は泣けるようになった。

ようやく自分は怒れるようになった。

ようやく自分は喜べるようになった。

ようやく自分は人を好きになれた。

でも、それは叶わなくて。

心は、いっぱい悲しんで、ストレスを感じて、涙をいっぱい流して、気づけば、自分は好きだと言っていた。

豊かな心は、病気によって壊れ、壊れた心は、動くのをやめ、動かなかった心は、再び情緒を取り戻して。

傷つきたくない、傷つけたくない。

なのに、それなのに。

動く素直な心は、自分を周りを、どんどん傷つけてしまう。

だったら人となんて関わらなくていい。

そう思って、連絡先を全部消した。

友達の声や。

大切な人達が、自分の名前を一生懸命呼んで、叫んでいる気がした。

そこでもまた涙を流して。

この気持ちや、この思いは、きっと、とてつもなく自分にとって大切なものなんだろう。

大切な友達失いたくないって思った。

好きな人、失いたくないけど、離れなきゃって思った。

自分は携帯電話を解約して、その後、好き勝手なことをしまくった。

親にいっぱい迷惑をかけた。

今でも迷惑をかけっぱなしだ。

そして最大の迷惑。

頭がおかしく暴走した俺は、警察に捕まった。

そこでも懐かしい感じがした。

情緒が。

気持ちが。

心の起伏が。

不安定だった。

でも、それがなぜか嬉しかった。

すぐ入院し、3カ月もの間療養した。

入院中大好きだったカープが優勝した。

そして退院して、治療も通院もずっと続けて。

ようやく、普通の人みたいな自分に戻った。

地元の作業所で働いた。

その間カープは、3連覇を成し遂げた。

嬉しかった。

本当に嬉しかった。

でも、なにかが足りない。

何か足りない。

そう何か。

誰かを好きになることはあったけど。

誰か愛し、愛されたことはなかった。

家族の愛情とは違う。

恋人同士の相思相愛の愛情。

それを自分は本能的に求めていたのか。

もう自分は諦めていたのか。

どうしても、埋まらない心のパズルのピースを求めて、違う配信を始めた。

そこでも、仲良くしてくれる友達が出来た。

いろんな人が優しかった。

いろんな人の優しさが嬉しかった。

でも、埋まらない愛の気持ち。

この心のパズルのピース。

俺なんかに埋まるはずもないと思っていた。

でも、それは違った。

埋まらなかったパズルのピース。

この心のワンピース。

それを埋めたのは、目の前の君。

今、ずっと傍にいてくれる君。

大好きな君。

大好きな君へ。

好きだよって。

思った時には、すぐに言おう。

大好きだよ。

思ったとき、言葉にしよう。

大好きだよ。

抱きしめて、言葉にしなくても伝えたい、伝わってくる、大好きだよの気持ち。

ずっと傍にいてくれて、ありがとうの気持ち。

強く、時には優しく、あなたの胸の中で、僕は、これからも君の心や体を抱きしめ続けると思う。

でも、パズルはまだ、完成じゃない。

パズルに完成なんてないんだと思う。

ピースはこれからどんどんいろんな事ととも巡りあえるんだと思う。

完結しないこの人生こそが。

これからの一日。

一分、一秒、一瞬が。

君と進み、紡いでいく、未来へのワンピースとなるのだから。

おしまい

 

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