【お笑い】2022 M-1グランプリ 決勝感想

・カベポスター

ワモ:ネタのテーマ素材は非常にボケやすくいい題材だったと思います。笑わせれる土壌を備えた、作りであり、期待感やワクワク感がありました。この手のネタはもっと発想を広げて、たくさん思いついただけアイデアにして、そこからボツと採用を抽出したりすると、いいネタが作れるのかもしれませんね。あと、もう少し大きな笑いが欲しかったです。

しろ:爆笑ではないけど、安定はしている。スチールウ―ル!軍服!のしぼんだ口がかわいいおもしろいという感じ。パターン化は安定の反面だれてしまうので、もうちょい言葉遊びがほしかった気もします。志らくの感性ェ…糸電話の部分は一番滑ってたぞ。実際山田邦子の84点が妥当だと思いました。

・真空ジェシカ

ワモ:まぁ、結構よかったんじゃないんですか?ね?この人達のネタは、良くも悪くも、当たり外れがでちゃう系の人達かもしれません。もしくは、昨年よりレベルアップしているのかもしれません。

しろ:「俺でなきゃ見逃しちゃうね」等のネット流行語を交え、同人誌やハッカー等比較的若者向けとみられるネタが多かったです。そこが松本に向かなかったのかな?88点と他より低め。言葉に詰まったように見えたところもあり、緊張もあったのかもしれないと思いました。

オズワルド

ワモ:オズワルドのネタは、終わった後に、『あそこのあのフレーズがおもしろかった!』ってのが印象に残りづらいです。シュールの路線という感じでもないので、イマイチ特徴がないので、振りきれるネタ作りはこのままだと厳しいと思います。声のトーンは悪くはないかもですが……

しろ:敗者復活は、世間の知名度のせいで令和ロマンが競り負けてしまいました…そして敗者復活と同じネタだ…。爆笑はなく。95とまたもや志らくの点数がおかしい。アニメとかで使い古されたネタを使って冷静に普通の事を言っているだけだと思います。

・ロングコートダディ

ワモ:おもしろかったです。シンプルな作りではありますが、演技、構成、それら全てしっかりと計算されています。主観的にどうお客さんに訴えかければいいのか。そして、客観的に自分達がどう映っているのか? それらがちゃんとわかっているので、視聴者もネタの世界観にすんなり入れるんだと思います。真剣な共感場面から、じょじょに行動をおかしくずらしていき、ギャップを置き去りにしないで、終始、それはおかしいだろ! と思える作りになっていました。しっかりとフォームを持っているお二人は、安定感があってすごくそこは強みだと思いました。

しろ:よく頑張ったと思う。マラソンというネタでキャラのバリエーションが多く、情景が目に浮かびます。最初の伏線回収、友情演出が熱いなと思いました。会場からの歓声もありました。去年の肉うどんネタからこの中で一番期待していた一組でした。

・さや香

ワモ:抜群でした。僕としては、ほぼ満点の97点です。100点は付けられない。99点だと、超える芸人が現われたら100をつけないといけない。98だと、それを超える芸人が現われたら同様に点数がつけられなくなります。なので、97点。これは、100点といってもいいでしょう。5年前の歌のお兄さんのネタもしっかりと覚えていましたので、その時ものすごく将来性を感じたネタだったので、凄く期待していました。期待に応えてくれるネタを披露してくれたので、嬉しかったですし、その二人のネタが世の中で一番おもしろかったという評価を受けたのは、素晴らしく納得できました。こういう気持ちをもっとおもしろい芸人やネタを通して多くの人と共感したいです。去年のM-1グランプリ敗者復活で『から揚げ4やぞ!』というゴリ押しのネタが嘘のように、思えた分、凄くギャップがあり、魅力を感じてすっかりファンになってしまいました。これからもまともな、彼らのネタをたくさん期待したいです。あとボケとツッコミを入れ替えたのも、ハマっていました。すごく良かったです。

しろ:免許返納に対して相方をフォローしようとして各方面へのディスがwwとてもよかったです。テンポも良くて、ボケも相当おもしろい。出たら入れない佐賀が良かったです。最後に二人が同じ動きをしてフィニッシュするところが最高潮。後半に向かって勢いが増していて、見ていて気持ちがいい。納得の高得点。去年の敗者復活の唐揚げはなんだったのか…わもと二人で話していて、本気を出さずギャップを狙った説、おもろい二人があえてそういうネタをすることで「何やってんだw」感を出した説などが出ています。

・男性ブランコ

ワモ:あまり記憶に残らなかったです。二人のキャラが少し被りぎみ? なんですかね?

しろ:ネタが単純で、ボケが倒されるところとかは子供にウケそう。

磁石の超無駄塾っていうコントに、刺さったら痛そうな数字解説というものがあったりしますが、あれはおもしろかったなぁと思い出していました。

・ダイヤモンド

ワモ:会場がとても静かでした。もっとダイヤモンドな手堅いネタをして欲しいです。

しろ:「○○もな」「キャー!」は少し良かった。会場は静かだし、盛り上がりに欠けました。ボケも単調だった印象です。

・ヨネダ2000

ワモ:彼女らは南海キャンディーズや、オードリーのように、バラエティで普通に生きて行けると思います。愛されキャラな感じですし、左のボケの子は、R-1でもいいところまで行けるんじゃないでしょうか? 個々にロケやバラエティ番組に出演しても、十分通用すると思うし、オファーもし易そうですし、ブレイクすると思いました。

しろ:元気ではきはきしていてかわいらしいなと思った。気になってtwitterで検索したところ、やはり好感触な感想が多かったです。イギリスで日本の餅つきを披露し、最終的に受け入れられるというストーリー。楽しい。最初に円陣を組むところもおもしろかったです。ぺったんこー!あーい!!で会場を魅了しました。余計な事を考えさせる隙がなく、ストーリーが見事にできあがっていました。

・キュウ

ワモ:悪や毒を抜けばNHK教育とかで活躍の場がありそうな組でした。嫌われるようなキャラではないと思ったので、もうちょっと方向性を変えて、新しい自分らのフォームを作るといい方向に変わるかもしれませんね。

しろ:ただなぞかけを羅列しているだけで、話が広がっていきません。ツッコミの癖がすごいのに、「なんだそのツッコミは」ということにもならず、流れていって終わってしまう。ただ、「○○でしょ~」はキャッチ―で、しばらく我が家で流行りました。

・ウエストランド

ワモ:おもしろいとは思いました。しかし、道徳上笑ってもいいのかな? という少し自分の黒い気持ちに対する罪悪感を意識させられてしまいますので、人間そんなもんかもしれません。立川シラクも、この組の笑いが認められれば、世の中のこの罪悪感な気持ちが消え、受け入れられるから頑張ってといっていましたが、これからの未来の笑いは、そういう方向へは期待していません。しかし、事実身内内などでは、ディすりや批判的な黒い笑いは横行しているのもまた事実ではあります。

しろ:わりとおもしろい悪口が多かった印象。結局言葉遊びの正解は何だったんだろうと気になるところはありました。富澤の「心のどこかにそれがある」は納得。どこかで思うところがあるから笑えるんだと思います。youtuberは警察に捕まりはじめているは正直笑ってしまいました。風刺も強いと思います。

決勝上位三組

・ウエストランド

ワモ:一発目と似たような作りのネタでした。笑いの構造としては。この手のパターンは、m-1において見事優勝出来るパターンと、大きく負けるパターンのどちらかがあります。笑いのフォームが同じで、またそれか? というのが、いい方に転がって飽きさせない作りであれば、ほぼ優勝している芸人が多いと思います。今回のパターンは、それが上手く決まった形で優勝したと思います。ブラックなディすりは、やりすぎ感はありましたが、プロとして手を抜かなかったという点では、評価しないといけません。また、他の方向性のネタも見て見たい気がしました。

しろ:愚痴というかなにか黒いもの、Twitterの裏垢みたいなネタだとおもいました。各方面から怒られそうだけどもちょっと笑っちゃった。きっとみんなどこかで思っていることだと思います。綺麗事を嫌う気持ちはもちろんあり、そこをうまく突いているのだと思います。

・ロングコートダディ

ワモ:別段悪くはありませんでしたよ。一票も入りませんでしたが。僅差だと思います。彼らの良さは、安定感にあります。フォームやパターンを既にもっているので、凄い強みがあります。大きく変える必要もないと思いますし、ナイツなどの寄席や営業やテレビでバリバリ活躍している人のようになれると思います。笑いをしっかりわかっているので、外すことはないと思いますし、もしかしたら、10年後は、ステージの左側で点数をつける立場になっているかもしれません。

しろ:江戸時代にいくか去年に行くか、どうしてもうまい具合にいかないというネタ。去年の肉うどんのネタのようなうまくいかなさが見えていました。わかりやすくておもしろい。いつも笑いというものを手玉に取って、安定的に供給してくれます。遠山の金さんかとおもったらワクチン会場というネタのチョイスに笑いました。

・さや香

ワモ:出始め凄く気になったのが、ツッコミの新山くんが少し、噛んだ? ところです。それは、まぁよかったんですが、その後も数秒なんか別世界にいる感じで目がうつろでした。一本目の時は、すこしスル―しそうなところからの、、、、おいおい! っていうツッコミが、人間的なリアクションで、普通の人が、きいているんだという気持ちにさせてくれて、ネタそのものが凄く光りました。二本目は、数秒そのうつろな目が若干気になり、ファンの方に心配を与えてしまった分、少しエンジンのかかりに響いたと思います。ウエストランドとの差は制限された時間の中で、どういう笑いのペースで走っていったかで、決まったと思います。ウエストランドは一定速で駆け抜けましたが、さや香は、エンジンかかってからが、大きかっただけに、最初の1分がもったいなかったです。しかし、そんな評価も彼らにとっては、からあげのネタをやっている以上、何かの作戦なのかもと勝手に勘ぐってしまうところです。ともあれ、すっかり、さや香のファンになりました。来年は、優勝出来るように応援したいです。

しろ:男女の友情について。Twitterで、ありきたりなお題という意見がありましたが、そこからどう展開していくかを見るべきだと思いました。最初優位だったはずのツッコミの方が、誰とでもキスするやばいやつ認定されていくという展開がおもしろかったです。しまいには、それに気づいたツッコミが自らをディスっていくという方向へ。視聴者の気持ちの矢印を右から左へ向けるのがうまいとおもいました。そういう、どちらが反感を買うか、一般的に敵視されるかなどを考えたネタ作りをされているんだなと思いました。けっこう好きでした。

優勝ウエストランドについて

ワモ:三本を総括すると、ウエストランドはウエーバー順のように、予選ラストからの決勝一本目ということで、当人も客も温まっていました。既にならし工程が終わったエンジンで勢いそのままに、決勝の一本目に迎えることができたのが大きかったと思います。ロングコートダディは長所が逆に仇となっているのでしょうか。変に安心してしまい、安定な笑いが多い反面、爆発的な笑いが足りないのかな、というのが、決め手を欠いてしまい0票になってしまったかなと思いました。いずれにしても、ミスや気になるところが少なかった分ウエストランドが一番票を獲得出来たんだと思います。

しろ:全方向に敵意を向いて、だからこそ誰かに媚びない。ウエストランドを否定されている方は、悪口だけど、全部が全部偏見のエンタメと考えれば、1から10までただ悪口を言っているだけと思わなくても楽しめるかもしれませんね。ウエストランド優勝を受けて、心の中にあるものに向き合うときなのかもしれないなと少し思いました。自分が好きな界隈をディスられてないからかもしれませんが、ひねくれて本音をぼろくそにいうあの姿勢はわりと嫌いじゃなかったりします。候補3組は全部方向性が違っていて、どれに票が入るか、どういう結果になるか全くわかりませんでした。誰が優勝してもおかしくない状況にあったと思います。どれもおもしろかったです。ウエストランド、優勝おめでとうございます。